ソフトバンクに新卒入社したときの話。

投稿日:2017年10月11日 更新日:

自分が新卒社員だった頃のお話です。

 

前書き

大学を卒業し、ソフトバンクBB (現: ソフトバンク) という会社に新卒入社しました。

2005 年に入社し、約 3 年間勤めていました。

 

Yahoo! BB をやっていた会社ですね。

今では携帯電話や投資を主力としているソフトバンクですが、当時は ADSL というインターネット回線をメインで推している会社でした。

最近ではソフトバンクの主力会社が合併して、ソフトバンクという社名にになったようです。

 

入社したきっかけ

ソフトバンクBB株式会社(代表取締役社長:孫 正義、本社:東京都中央区、以下ソフトバンクBB)は、2005年度の新卒採用(一部、第2新卒者を含む)において3,000名の採用計画を決定いたしました。

2005年度 新卒採用計画について

 

 

このうちの 1 人がボクです \(^o^)/

同期が 3,000 人もいたわけですよ。

 

大量採用の背景

3,000 人もの大量採用の背景には以下の事件がありました。

 

2004年1月23日、ソフトバンクはYahoo! BB登録者の個人情報が外部に漏れていた事を発表した。この時点での発表では242人分、その後の2月27日には約470万人分の情報が漏れていた可能性を示唆し、最終的な漏洩数は約450万人であるとした。

Yahoo! BB顧客情報漏洩事件

 

入社する前年の 2004 年、当時は日本最大規模だった情報漏洩事故であるYahoo! BB顧客情報漏洩事件にありました。

漏洩の対象者に 500 円の金券が配られたことは未だに覚えている人は多いのでないでしょうか。

ボクも対象者でした \(^o^)/

 

同年5月下旬には新たな東京都内ルートの犯行関与者としてソフトバンクの元業務委託先社員他1名も逮捕され、個人情報漏洩の全容が明らかとなった。個人情報が漏洩した原因として、当初発表した「外部からの不正アクセス」という理由ではなく、ソフトバンク社員であれば誰でも閲覧し入手できるような状況であったことを改めて発表。

 

情報漏洩の原因として業務委託社員の手引きがあったという背景もあったため、

業務委託形式をやめ、正社員がメインの業務にシフトする方針に切り替えられ、その穴埋めとして新卒社員 3,000 人を大量採用することになったわけです。

 

大量採用の選考フロー

3000 人大量採用でしたが、就職活動は至って普通でした。

 

企業説明会

書類選考

1 次面接 (グループ面接)

2 次面接 (部長クラス)

 

採用人数が多いこともあり、面接の回数は人によって違ったようです。

自分は 2 回の面接で終わりで、しかも2 回目の面接のその場で内定を言い渡されるというミラクルでした。

翌日人事から電話があり、再度内定の旨を伝えられ、就職活動に疲れていたボクは即レスしました。

 

入社後、採用中の話を上長に聞いたのですが、

管理職は常に採用面接をしている状態だったようで、他の仕事もやれないくらいの忙しさだったそうです。

大量採用すぎてその場で内定を出すくらいの判断スピードでないと間に合わなかったのでしょう。

 

内定式

これは今でも自慢できるのですが、内定式での内定者向けメッセージは上戸彩からでした。

当時 Yahoo!BB のイメージキャラクターに採用されたばかりの頃です。

 

内定者全員向けとはいえ、現役アイドルからメッセージを頂けたため、とてもとても舞い上がった記憶があります。

 

入社式

当時は球団を買収したばかりの頃で、ソフトバンクホークスの監督だった王貞治が入社式のゲストとして登場しました。

上戸彩を期待していた自分は激しく盛り下がったのはいい思い出。

 

さすがに内容は覚えていないのですが、たぶん素晴らしいことを言っていたと思います。

 

ソフトバンクの雰囲気

10 年以上前の話という前提ではありますが、

現在ほどの会社規模ではなかったためか (とはいえ当時もかなり大きかったです) 、ベンチャー企業に近い風通しのよい雰囲気でした。

遅刻しても特に何も言われず、やることをやってればいいというカルチャーでした。

また若いから意見を言いにくいということもなく、新卒以外の社員は 30 代の方の割合が大きかったです。

 

ですが、当時の急な企業成長にあわせて、管理職やリーダーに急遽上がった人も多く、正直今思うとマネジメント能力が低い人も多かった気がします。威張り散らすだけのリーダーとか。

急成長なベンチャー企業によく見られる現象ですね。

 

また新卒が大量に入ったせいか、子守に疲れたリーダーは常にイライラしていました (笑)

 

Vodaphone (ボーダフォン) の買収

在籍中の 1 番の事件はこれですね!

新卒 1 年目も終わろうとした頃Vodaphone (ボーダフォン) 買収劇があったわけですよ。

 

ソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)は2006年3月17日、英ボーダフォンから日本法人を1兆7500億円で買収する契約を結んだと発表した。

 

当時の携帯電話キャリアは、docomo, au が巨塔にいて、万年 3 位のようなポジションにボーダフォンがいたのですが、そのボーダフォンを買収し、ソフトバンクが携帯事業に乗り込んだわけです。

 

この買収劇ですが、社内にいる限り、携帯事業を始めるような雰囲気はそれまで微塵も感じませんでした。社員はおろか部長陣すらまったく寝耳に水の状態でした。

 

メディアで発表されたのが週末だったのですが、月曜に出社して、みんなで

 

「ザワ…ザワ…」

「どうするよ・・・」

「とりあえず今のプロジェクトは全部凍結ですかね・・・」

 

という会話をしていました。

 

世間のニュースでもそれなりに大きく取り上げれましたが、

社内での混乱はそれ以上で、会社の方向性が変わりすぎるため、上から指示があるまで何をやったらいいのか本気でわからない状態でした。

 

10 年以上経っても未だに思い出深い出来事です。

「自分の社会人人生で、あれ以上大きな出来事の渦中にいることはもうないんだろうな」としみじみ思います。

 

ボーダフォンの老害がうざくて辞めることにした

さてそんなビックイベントだったボーダフォン買収ですが、自分が会社を辞めるきっかけになったのもこれでした。

 

事業インパクトが大きかったボーダフォンの買収ですが、それ以上にボクのモチベーションへの影響もとても大きなものでした。

 

これをもってボーダフォン社員も同じ環境で働くことになったのですが、企業風土や年齢層がまったく違う企業が混在することになったのです。

 

ソフトバンクの管理職はほとんどが30 代だったのですが、ボーダフォンの管理職はそれより一回り上の年代層でした。

しかもボーダフォン自体は元々日本国有鉄道が民営化していった企業が母体という、古い日本体質の年功序列体質の会社でした。

社名はカタカナでも、中の人たちは古き良き年功序列の方々ばかりだったのです。

 

物事を決めるまでものすごく時間がかかるし、

経営陣の言うことには脳死で従うだけ

内容のない会議が大好き

置物の管理職がたくさん

外注先に高圧的な態度

 

つまり偉そうだったわけです。

「なぜに買われた側が偉そうなんだろう」と、ボクは常に疑問を持ちながら働いていました。

買収された側のボーダフォンの方が企業規模が大きかったためか、ソフトバンクの企業風土に合わせようとしても合わせることができないアンバランスな状態が起きていたように感じました。

 

それまでは特に不満なく働いていたのですが、カオスな状況はさほど改善されることもなかったため、自分はまだ 20 代前半だったこともあり、もっとガツガツ働ける環境で働きたいと思い、ベンチャーへの転職を決意したのでした。

あ、円満退職です \(^o^)/

 

 

2000 年代前半から新卒の 3 年離職率は 30 % と言われていましたが、ボクの同期の離職率もそんなものだった気がします。

どうしても 3 割の人は「今の環境はなんか違うな・・・」と考えてしまうのは人間の性なのでしょうか。

 

新卒入社してよかったかどうかと言われれば、入社して間違いなかったというが正直な感想です。

なによりも研修体制がしっかりしていたためビジネスマナーをしっかりと学ぶことができましたし、

ベンチャーと大企業の中途半端な環境だったため、どちらの風土でも仕事をしていける柔軟さも身についたと思っています。

そしてその基礎能力は社会人を続けていく限り一生ものの価値があります。

 

そして退職したこともまた正解だったと思います。

なんだかんだで自分のキャリアは気に入っているので、その過程の第一歩を作ってくれたソフトバンクには感謝です。

 

 

辞めたときでさえ大きな会社だと思っていたのですが、ここ 10 年の間に会社規模は更に大きくなってしまい、「自分があそこにいたのは勘違いだったのでは・・・」と思ってしまうほどです。

いまや日本を代表する企業の 1 つにまで成長したソフトバンクですが、更に成長し変わらず世間を驚かせて続けてほしいものです。

自分もユーザの立場として引き続き応援していきたいと思います。

mineo ユーザになってしまいましたが。

 

以上、ボクとソフトバンクの思い出でした。

 

 
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