就業不能保険とは?
就業不能保険は、病気や怪我で就業できずに長期の治療や療養が必要である場合に、契約のときに決められた給付金が支払われる保険です。
生命保険会社が中心となって販売しています。免責期間(給付金の支払対象外の期間)が60日、180日など付帯しており、比較的長期の就業不能を想定しています。
就業不能保険はその字の通り、病気で働けなくなったときに収入の補填をしてくれる保険商品になります。
就業不能保険単体であったり、あるいは医療保険のオプションとしてついてくるケースもあります。
病気で働けない状態になったとき、病気の完治も心配ですが、
それと同じくらい治療中の収入減も心配になりますが、それを補填してくれるのは大変助かる商品なのではないでしょうか。
うつ病は対象外の就業不能保険
ただし就業不能といっても、何でも通用するわけでなく、大抵は 3 大疾患 (ガン、心筋梗塞、脳卒中)、あるいは 5 大疾患が原因の就業不能に限定されます。
何が言いたいのかというと「うつ病は対象外!!」だと言うことです。
ガンよりうつ病のほうが心配なのです
サラリーマン諸君はガンなんかより、うつ病で休職や退職するケースのほうを危惧している人のほうが多いのではないでしょうか。
自分はまさにそれです。
サラリーマンをやっていると精神疾患で急に会社こなくなる人なんて頻繁です。
そんな状況に慣れすぎて「次はこの人がきたか・・・」という感想しか持たなくなってきました。
そして自分が精神疾患になった際も「とうとう自分の番か」と思ったほどです。
現代サラリーマンにとって、うつ病は職業病とも言え、また一番身近にある重い病気なのです。
その割に就業不能保険では非対応という悲しい現状。
うつ病も対象のチューリッヒ生命の就業不能保険「くらすプラス」
そんな折、うつ病に対応している就業不能保険を発見しました。
チューリッヒ生命の「くらすプラス」です。
くらすプラスの対象疾患
ストレス性疾患も対象になっているのが大きな特徴で、対象となる疾患は以下になります。
気分 [感情] 障害 (うつ病等)
神経症性障害、ストレス関連障害・身体表現性障害
摂食障害
更年期障害
総合失調症、総合失調症型障害および妄想性障害
非器質性睡眠障害
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
潰瘍性大腸炎
過敏性腸症候群
ストレスでやられがちなサラリーマン界隈でよく聞く疾患がズラーっと並んでいます。
「これだよ、これが欲しかったんだよ!!」とちょっと感激しました。
くらすプラスの保険料
月々 1700 円の保険料で、
対象疾患になった場合、360 万円 (月 10 万円 × 3 年) 受け取れるようです。
「メンタルやられたときのために、これならいいかも?」と思ったのですが・・・。
くらすプラスの盲点
ここからが本題です。
赤で囲ったところが注目ポイントなのですが、
対象のストレス疾患になるだけでは支払事由に該当せず、60 日を超える入院が発生したときだけに保険金を受け取れるらしいです・・・。
ストレス疾患で就業不能になる場合って、大抵は休職からの自宅療養がほとんどかと思いますが、自宅療養では支払条件を満たさないということらしいです。
ダメじゃん\(^o^)/
精神疾患で 2 ヶ月以上の入院が必要になる状況って・・・、かなり深刻です。
個々の状態によって異なるため、「これが絶対的な入院の条件です!」と言い切る事は出来ませんが、主に次のような状況であれば入院を検討する必要があります。
Ⅰ.自殺に至る可能性が否定できない時
Ⅱ.家庭環境が休息できない環境である時
Ⅲ.重症度が高い時
Ⅳ.抗うつ剤などへの治療反応性が悪い時
Ⅴ.食事を取れないなどで衰弱が著しい時
Ⅵ.他の身体疾患を合併している時
Ⅶ.その他主治医が必要と判断する時
これくらいの状態でないと保険金を受け取れないようです。
保険金を受け取るためのハードルが一気に上がりました。
まとめ
うつ病も対象が謳い文句のチューリッヒ生命の「くらすプラス」ですが、
保険金を受け取るためには「うつ病で 2 ヶ月以上入院しないといけない」という条件が必要で、
「一般的な休職して自宅療養する程度のうつ病には役に立たない」ということでした。
自分もメンタル面での疾患についてはいつ発症するかとビクビクしながら生活しているので、その保障をしてくれるという点では期待していたのですが、商品内容を読み進めてガッカリでした・・・。
うつ病を保障してくれるということで世のサラリーマンなら喜んで食いつきそうです。
そこで実際に窓口に行って説明を受けガッカリさせつつ、ついでに別の商品を勧めるために作られた釣り商品なのではないか、という邪推までしてしまいました。
ここまで受給条件が厳しいなら「うつ病対象」を大々的に謳うのは半分詐欺じゃないかとも思えるほどです。
ほとんど誇大広告とも言えるような、なんとも残念な商品でしたとさ。