セミリタイア後の仕事として「翻訳っていいんじゃないかな」と思い、1 ヶ月ほどやってみた感想です。
ボクの英語スペック
実はそこそこ英語できるんですよ。
帰国子女とか海外留学経験などはないですが、単にがんばって勉強しただけです。
※リクエストあれば勉強経緯書きますが (笑)
- TOEIC 800
- 英検準一級
資格はこんな感じで、英語を生業にしている方からしたら全然たいしたことないです。
むしろ鼻で笑われるレベル ( ´,_ゝ`)プッ
ただし、英語+αのスキルがあれば、この程度の英語力でも翻訳はなんとかなります。
翻訳の種類
一言で翻訳といっても、いくつか種類があります。
- 出版翻訳
英語で書かれた小説やノンフィクションの翻訳 - 実務翻訳
契約書・ビジネス文書・マニュアル・企画書などの翻訳 - 映像翻訳
海外の映画やドラマの翻訳
このうち、自分がやっていたのは実務翻訳になります。
先ほど述べた「英語 + α」というのがポイントでして、
実務翻訳は英語ができればいいだけでなく、その分野に精通している必要があります。
専門文章とか、そもそも日本語で読んでもイミフですからね。
特に、IT とゲーム分野をメインにやっていました。
IT 翻訳
- ソリューションの導入事例
- 企業パンフレット
- 製品マニュアル
- IT ニュース記事
多かったのはこのへんですね。
和訳、英訳の両方やっていました。
ゲーム翻訳
これは楽しかった・・・(笑)
英文見ただけで、厨二っぽい和訳がスラスラ作れる自分に驚きました。さすがゲーマー (笑)
例えばこんな感じです。
The world is a place of order. When order is not enforced, chaos reigns. Chaos is the natural state of the world. The order that currently exists is the result of the power of the Great Dragon. Out of this
世界は秩序に溢れた場である。秩序の力が弱まったとき、混沌が支配する。混沌は世界において自然な状態であり、現在存在する秩序は、グレートドラゴンの力の成果である。溢れ出る混沌から、グレートドラゴンはあるゆる点において完璧な世界を創造したのだ。
フリー翻訳への道
- 翻訳会社 (企業から仕事を請け負う会社) にフリーランス登録依頼
- トライアル
- 本登録
- 依頼がきたら納期までに仕上げる
「翻訳家をやりたい!」と言ってもいきなり仕事をいただけるわけでなく、
翻訳会社と契約するためのトライアルを受けなくてはいけません。無償です。
翻訳会社からテスト用問題が送られてくるので、
それに和訳 (あるいは英訳) したものを提出し、能力を見定められます。
それに合格して晴れてお仕事を頂けるようになります。
あと翻訳するには、基本的に専門の翻訳ツールが必要です。
翻訳ツール上でエクスポートした専用のファイルが納品物となるケースが多いです。
それがお高いんですよ。
約 80,000 円!!
ある程度稼ぎが増えてきた段階で払うならいいのですが、
稼げるか分からないのに初期投資 80,000 円は痛い・・・。(;´∀`)…痛いなぁ…
翻訳家のここがめんどくさい
案件よって原稿のレギュレーションにまったく違うので、レギュレーション表をざっと眺めて覚えるのでさえ時間がかかります。
文末の「です、ます」「である」の指定だったり、
IT 用語だったら「サーバー」「サーバ」どっちを使うか、などですね。
「Adobe」「アドビ」など、英語記載を残すべきかどうかの指定もあります。
これがもういちいち覚えるのが面倒くさいわけですよ・・・。
収入
気になる収入ですが、
凄まじく安いです!!
報酬は文字単価で計算されるのですが、
駆け出しの場合、0.3 円 〜 0.8 円くらいです。
ボクの場合、1000 字翻訳するのに、3 時間ほどかかってたので、
時給 100 〜 300 円くらいですね・・・。
駆け出しだからといえ、ちょっとこれは安すぎるだろう。
機械翻訳の発展・クラウドソーシングの登場などで、翻訳業界は価格破壊が進んでいるんです。
クラウドソーシングで日本語の文章書いてたほうが儲かるというね (笑)
※クラウドソーシングは、文字単価 1 〜 3 円くらいですね
出版翻訳はもっとやばい
ちなみに、これでも実務翻訳が一番稼げるのです。
一番ヤヴァイのが出版翻訳。昨今の出版不況もあり、ほとんど稼げないらしいです。
先日、同業者と話をしていて、某社文庫の初版部数に驚愕した。いや、ついにそこまで下がりましたか、と呆気にとられた。1冊の本を3カ月かけて訳して、税込印税が30万切るという。翻訳家の年収120万円時代が現実のものになっているとは。専業の出版翻訳家が存在できる時代は、終わったね。
3 ヶ月本気で働いて、30 万円か・・・(苦笑)
副業ならおいしいところですが、本業でこれってどうしようもないですね。
セミリタイア後の仕事としての翻訳家
- 働く場所を気にしない
- PC だけで仕事ができる
- 気が向いたときに作業できそう
といったメリットが真っ先に思い浮かぶ翻訳家ですが、やはり収入面が気になります。
時給 1000 円ほどのペースで稼げるようになるには、5 年は修行が必要そう。
そして、自分が好きでもない文章の翻訳をし続けるモチベーションが続くかどうか (笑)
あとボクはミスのない文章を作るのが苦手なので、その点でも向かないと思いました。
ブログも見直さずに公開してしまうタイプです。
「明日まで急ぎで仕上げて!!」みたいな依頼も多いらしく、セミリタイアしているくせに仕事に振り回される日々になりそうなのも懸念です。
※断ったら、次から仕事回されなくなりそうだしね!!
翻訳が好きでたまらない人には、ほどよく稼げる仕事かもしれませんが、
ボクは (当然) 日本語のほうが得意なので、日本語ライティングのほうが稼げるなら、無理して翻訳しなくていいよね、と思います。
外国語のほうが単価安いっておかしくね!??