正規雇用・非正規雇用の格差は本当なのか

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派遣社員の方に「仕事楽なのに給与高くていいですね(笑)」と言われたので愚痴を書きつつ、格差問題について自分なりの見解を述べます。

正規雇用と非正規雇用の定義

厳密には明確な区分けはありませんが、

厚労省の検討会で利用された資料で以下のように定義されているので引用させていただきます。

正規雇用

① 労働契約の期間の定めはない。
② 所定労働時間がフルタイムである。
③ 直接雇用である(労働者派遣のような契約上の使用者ではない者の指揮命 令に服して就労する雇用関係ではない。)。

「望ましい働き方ビジョン」

 

「正社員」が該当

 

非正規雇用

上記①~③のすべてを満たす者以外の様々な雇用形態を便 宜上「非正規雇用」とする。

 

「契約社員」「アルバイト」「パートタイマー」「派遣労働者」が該当

 

正社員の仕事

正規雇用 (正社員) の仕事は主に以下になります。

 

  • マネジメント
  • 会議
  • 資料作成

 

私自身だけの例に限らず、これらが主業務になっている正社員は多いと思います。

就業時間のほとんどは会議をしていたり、その会議のための資料作成、あるいは予算を取るための企画書の作成などばかりです。

 

  • 企業の経営に違いポジションで
  • 経営層の要望をキャッチアップし
  • 企業方針を具体的なものにしていく

 

ゼロの状態のモノを形にしていく (プロジェクトなど) ことが正社員の業務の全てで、そしてそれが期待されている役割になります。

 

そして、本当の戦場は会議であり、事件は会議室で起きています。

 

非正規雇用の方が「同じ業務をやっているのに待遇が違う」と言うのは、そもそも上記の正社員の業務をよく見えていないのが原因かなと思います。
※窓際族と言われる方などは、あくまで超例外ですし、それを例え話にするのはナンセンスです

 

悪く言えば、「同じ業務をしている」と妄想してしまっているのであり、「同じ業務」と見えていたとしても裏で抱えている責任は桁違いのものになります。

 

本当に格差はあるのか

以上を踏まえると、正規雇用と非正規雇用には格差はないと思っています。

 

会社の経営数値に関わる業務をしている & 責任度合いが違ってくる正社員と、
主に定型業務を担当する非正規雇用の方とでは、一つの業務が生み出す利益差は当然あるため、給与・待遇が違ってくるのは当然のことだからです。

 

これは「格差」でなく、単なる「職能 (職業・職務上の能力)」の問題です。

「職能」でしたら、能力の高い人が高給をもらうのは当然ですし、逆もまたしかりです。

 

正社員のスキルセット

では正社員にはどんなスキルが必要なのでしょうか。

 

  • 経営数字を読み取る
  • コスト感
  • 資料作成スキル
  • プレゼンテーションスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 専門スキル

 

このようなスキルを総合的に高い水準で備えているのが正社員です。

 

正社員のことを、

「正社員」という枠で採用されたがために、「正社員という階級」に属している人

だと思っている人もいますが、これはまったくの見当違いです。

 

キャリア形成の軸があり、その積み重ねとして自分の能力を高め続け、結果として会社にとって必要な人材が正社員として活躍しているのです。

 

楽な仕事に見えるのは隣の芝生が青く見えているだけで、その裏側では仕事に対するプレッシャーや継続的な努力があるのです。

 

正社員は安定しているか

余談ですが、正社員が安定しているかどうかというと「決して安定はしていない」というのが個人的な意見です。

よく言われる「正社員 = 安定」というのは、正社員はクビになりにくいというだけです。

 

業務の責任に応じた相応のストレスもあるため、働く本人の心身はまったく安定ではありません。

 

当然メンタル疾患は日常茶飯事であり、誰かが心を病んで休職したということを聞いても「ふーん・・・」としか思わなくなってしまうくらい当たり前のことです。

 
また非正規雇用の方が「安定しているから正社員になりたい」というのもよく聞く話ですが、「安定 = 継続して給与を得られる」と勘違いしているように見受けられます。

 

正社員だから勝手に給与が上がり続ける保証はまったくありません。

正社員の場合、半年ごとに目標を設定させられ、当然達成できなければ、容赦なく給与が下げられます。

 

「目標を設定され、その達成度合いを半年単位でチェックされ評価されていく」というローテーションをずっと続けていかなければいけないのが現代の正社員事情であり、決して簡単に給与が上がる環境ではありません。

 

給与を上げるには当然に相応の努力や成果が求められるものです。

 

まとめ

ここ 10 年ほどでメディアがおもしろくおかしく「正規雇用 vs 非正規雇用」という図式を広めたせいで、正規雇用 (= 正社員) のイメージが美化されすぎている印象があります。

 

ですが、非正規雇用が増え、対して正規雇用の減っているこのご時世、正社員の仕事も決して楽して簡単に稼げる類のものではないことは確かです。

 

正社員に求められるレベルが高度化されてきている傾向の中、それでも正社員をやれている人というのは、自信を高める努力を続け、かつ職責とプレッシャーを抱えながら仕事をしているということを忘れてはいけません。

そしてそれ故の高待遇・高給与なのです。

 

昔の貴族社会のように「何もしなくても正社員階級に所属でき、そして過剰な恩恵を受けている」という立場では決してないということはご理解いただきたいものです。

 

正社員もそれなりに苦労しているのです。



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