通常は自前のドリップポットの扱いに習熟することで上手くなっていくものですが、
この出来上がりを左右するポイントを、
装着するだけでグッと楽にすることができるアイテムが存在します。
それが今回紹介するパール金属株式会社の
“きゅうすスキッター”です。
きゅうすスキッターとは
お茶を淹れる急須の注ぎ口に挿入して装着することで、
液だれを防止するステンレス製の金属加工製品です。
購入したパッケージには2つ封入されています。
取り出してみると折り曲げ加工された細長いステンレスが2枚接着されたアイテムであることがわかります。
それほど厚いステンレスではないので、
注ぎ口の形状にあわせて容易に広げたり狭めたりできますが、
あまり頻繁に細工をすると金属疲労等で破損する恐れがあります。
パッケージ裏面の図に従い装着すると、
注ぎ口の先端から舌状の金属が斜め下方に突き出す形になります。
お茶を注ぐとこの金属に沿って抽出液が流れるため、
注ぎ終わりの雫状の液体も茶碗の中に投入されることになり、
抽出液が注ぎ口の側面を伝って下にこぼれにくくなります。
また注ぎ口の中に挿入されたバネ状の金属により抵抗が発生し、
抽出液が静かにゆっくりと流れ出るようになるため、
お茶の飛び跳ね防止にもなります。
これらのメリットはお茶を淹れる急須だけに限らず、
コーヒーを淹れるポットに適用することでさらなるメリットを引き出します。
垂直に静かにゆっくりとお湯を落とすことができるようになるのです。
ハンドドリップの初手となる蒸らしの際にはドリップポット内のお湯の容量が多いため、
慣れていないとドバッとお湯を投入してしまい、
コーヒー粉に過剰なお湯が浸透し蒸らしに失敗する場合があります。
急須スキッターを装着しているとゆっくりと細くお湯が流れ出てくるので、
蒸らしに失敗する可能性が低くなります。
また出先やアウトドアなどでドリップポットが用意できない場合でも、
きゅうすスキッターがあれば応急処置的な対応方法ですが、
やかんで比較的細いお湯を投入することができるようになります。
きゅうすスキッターの装着
ドリップポット、電気ケトル、やかんの3つにきゅうすスキッターを装着してみます。
装着前と装着後の注ぎ口からの水の流れを観察してみます。
ドリップポットに装着
装着前のドリップポットの水の流れです。
細いですが若干勢いが強く感じられます。
やや斜め前方に流れていますが、
ハンドドリップに支障のない水流となっています。
装着後のドリップポットの水の流れです。
さらに細くなり緩やかな流れになっています。
装着前より垂直気味に落下しており、
ハンドドリップにより理想的な水量となっています。
電気ケトルに装着
装着前の電気ケトルの水の流れです。
ドリップポットに比べるとやや太く感じられます。
このケトルはツル口なので、
慎重に扱えばハンドドリップを出来ないことはない水量です。
装着後の電気ケトルの水の流れです。
装着前より細く緩やかになっています。
ドリップポットと比較すると若干太いですが、
流れの角度もより下方に落下しており、
ハンドドリップするには十分適した水流となっています。
やかんに装着
装着前のやかんの水の流れです。
太く勢いがあります。
静かに細くしようと頑張ってみますが安定せず、
ムラのある注水になってしまいます。
この状態でハンドドリップするのは困難です。
装着後のやかんの水の流れです。
勢いが弱くなり水が細くなっています。
ドリップポットと比較するとまだ太いですが比較的安定しており、
分量の多いコーヒーを淹れる場合ならなんとかなりそうです。
きゅうすスキッターを装着したポットを使ってみる
カリタ式のドリッパーでレギュラーコーヒーを淹れてみます。
コーヒー粉にお湯を投入して蒸らします。
きゅうすスキッターのおかげで簡単に細く小さく注げます。
過度にお湯を注ぐことがないので、理想的な蒸らしを容易に実現できます。
蒸らし後は抽出となります。
細いお湯をゆっくりと垂直気味に落とせるので、
ドリッパーの縁にお湯を当てるという失敗のリスクが減ります。
このようにきゅうすスキッターをドリップポットに装着すると、
ハンドドリップにおいてより扱いやすくなり、
繊細なコントロールができるようになります。
まとめ
きゅうすスキッターは安価なのに効果が絶大な、
コストパフォーマスに優れたアイテムです。
2個入りなので1つは自宅のドリップポットに、
1つはアウトドア用のケトルなどに装着してみるとよいかもしれません。