東野 圭吾 「十字屋敷のピエロ」の書籍レビューです。
読みやすさ: ★★☆☆☆
世界観: ★★★☆☆
感動: ★★☆☆☆
シナリオ構成: ★★★☆☆
予想外の結末: ★★★★☆
総合評価: ★★★☆☆
ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば…しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。
ガチのミステリー小説です。
大きなお屋敷に、いわくつきのピエロの人形、そして愛憎まみれた親戚関係。
ミステリーにふさわしい要素が盛りだくさんです。
題名の通り、悲劇を呼ぶピエロの人形を中心に物語が展開されます。
ピエロは単なる人形だけでなく、語り部的な役割を果たしており、
主人公視点でのストーリー展開だけでなく、ピエロ視点での裏話も物語の随所で挿入されています。
その両面から内容を読み解いていくスタイルの形式になっています。
また著者の小説には珍しく、1 ページ目に登場人物一覧があります。
確かに登場人物多いのでこれがあると便利です。序盤は助かりました。
登場人物一覧があるということは、この中に犯人が・・・!?
そして概要にもある通り、最後のドンデン返しが用意されています。
最後の 1 ページまで諦めずに読んでみてください!
とはいえ、
著者の特色である「ちょっとズレた感じ」がなかったのが残念です。
悪く言えば普通のミステリー。
発行年は 1992 年、ヒットした「秘密」は 1999 年。
今のスタイルが確立される前の作品だったもかもしれません。
個人的には、
東野圭吾は「秘密」「容疑者Xの献身」が 2 強です。