純金積立は儲からない | デメリットは高すぎる手数料

投稿日:2017年7月3日 更新日:

毎月の余剰金の投資先として純金積み立てを検討してみました。

 

純金の特徴

一般的に資産としての純金には以下のような特徴があります。

 

実物資産なので無価値になることがない

世界共通なので有事の際に対応できる

変質しない

天災につよい

火災で燃えない

盗難に弱い

 

このような特徴から、安全資産としては昔から一番人気なのが純金です。

 

純金積み立てのコスト (Mr.純金積立)

購入手数料

業界最安値の SBI 証券の場合、純金積み立てにかかる購入手数料 2.16 % です。

 

業界最安値といいつつも、2 % を超える手数料帯は積立投資としては非常に高いです。

 

積立投資として他には投資信託も挙げられますが、こちらは安いものでは 0.2 % 程度、高くても 1 % を少し超えたくらいです。

純金積み立ての場合、手数料はそれを大きく超えた 2 % になります。

 

 

純金積み立ては手数料が高い分、それに見合ったリターンが得られるのでは?と考えてしまいますが、そんなことはありません。

 

投資信託は積み立てることで自身の代わりに資産運用をして頂き利益をバックしてもらうというものですが、

対して純金積み立ては単に金という資産を購入し続けるだけのため、意図的に投資金を増やすための行為は発生しないためです。

 

そのため資産を増やすための投資という観点でみた場合、純金積み立てはコスト (購入手数料) が高くリターンが少ない商品と考えられます。

つまり資産を増やすための手法としては向いていないということになります。

 

スプレッド

また売買時のスプレッドがあることも忘れてはいけません。

 

金_スプレッド

 

上記はSBI 証券の金取引画面です。

 

外貨と同様、売値と買値は同値ではなく、それぞれで価格が設定されています。

 

買うときは「4,538 円」が適用

売るときは「4,458 円」が適用

 

上記の場合だと、「4,538 円 (買価格) - 4,458 円 (売価格)」の差額の 80 円がスプレッドになります。

 

たった 80 円くらいと思うかもしれませんが、金価格に対して約 1.7 % のスプレッドが発生しています。

これを外貨のドル円に換算すると、約 2 円のスプレッドに相当します。

SBI 証券のドル円スプレッドは 0.5 銭なので、純金積み立ては外貨積み立ての約 40 倍のスプレッドが発生していることになります。

 

 

以上から純金積み立ての運用コストですが、

ただでさえ高めな購入手数料 2.16 % 以外にも、約 1.7 % のスプレッドも加わってくるため、結果的に投資額に対して 4 % 程度のコストが発生することになります。

 

純金積み立て経験者の例

我が家は、田中貴金属を利用しているのですが、
 
・2010年4月から、月10,000円(2月8月は20,000円)で開始し、
・2012年2月から、月15,000円(2月8月は30,000円)に増額し、今に至っています。
⇒ 2016年1月末時点の投資総額は、1,090,000円になります。

純金積立をやってみた

 

この方の場合、5 年以上に渡って純金積み立てをされています。

2010 年から 2016 年というと、金価格は上昇傾向にある時期で、チャートでみると以下のような時期になります (緑で囲っている部分)

 

金_チャート

 

それにもかかわらず、

 

直近の田中貴金属からのレポート(2016年12月末基準)によると、
時価評価額は1,062,025円(238.2826g)です。
12月までの積立総額は、1,075,000円なので、
 
5年間の結果は...
△12,975円の赤字  です。 ガーン!

 

赤字!?

 

チャートが上向いていても赤字なんですか・・・!?

 

この方の場合、田中貴金属工業を利用されていたようですが、

田中貴金属は購入手数料が比較的高く、1 - 3 万円の積み立ての場合の購入手数料は 2.5 % です。

 

購入時に手数料を取られてしまい、更に売買時のスプレッド (売買の価格差) を考慮すると、

これだけの上昇傾向時に積み立てていたとしても赤字に転落してしまうようです。

 

つまり価格上昇時に発生した利益はすべて手数料に吸い取られてしまっているということです。

 

手数料ってこわい ((((;´・ω・`)))

 

純金投資との付き合い方

運用コストの高さから、純金積み立ては資産を増やす手段としては向いていないというのが正直な感想です。

 

そんな純金を資産として保有することの意義ですが、変動幅が小さいかつ安全資産であることから、

資産を増やすための投資ではなく、資産構成の一部分 (10 % ほど) を金とすることで、金利上昇などに備えたリスクヘッジ要素としての利用が妥当かなと思います。

 

ある程度の資産が築けている方は、なるべく分散し、また有事の際の資産減少幅を減らすことに注力する必要があるため、金を資産にに組み込むことは選択肢として全然アリだと思います。

 

一方で資産を増やしていきたいという人にとっては、純金積立を資産運用の主軸とするのはやめておいたほうが良いのではないでしょうか。

数年経って初めて儲かっているつもりが、全然儲かってなかった!!ということになりかねないので要注意です。

 

自分の場合は当面はもっと利益を大きくとっていきたいため今のところ純金積立は絶賛見送り中です (ノ∀`)

 



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