バブルの歴史
投資家のバイブルである「ウォール街のランダム・ウォーカー」の序盤ではこれまで歴史上確認されているバブルの事例が掲載されています。
株価が意図的に作られ、それに市場が釣られ高騰し、そして暴落した
時代のトレンドワードを入れた社名にするだけで株価が上昇した (エレクトロニクス、バイオなど)
とりあえず新規公開株ならば漏れなく上昇した
オランダのチューリップ・バブル
紹介されている事例の中でも興味深かったのは、
17 世紀のオランダで起きた「チューリップ・バブル」です。
バブルと聞くと、土地や株式のイメージがありますが、
このときは「チューリップの球根」がバブルの対象でした。
「国全体が経済活動をそっちのけにして、チューリップ球根の投機に浮かれた」
「貴族も、平民も、農民も、職工も、水夫も、人夫も、メイドも、煙突掃除人も年老いたお針子までも、チューリップ熱にとりつかれた」
という記述が残っているくらい、当時のチューリップ熱はすごかったようです。
バブルの期間はたった 4 年間ほどだったらしいですが、
当時のオランダの人々は、土地などの私財を投げ売ってまでチューリップの球根を買い漁っていたそうです。
チューリップバブルのチャート
やべぇ、ビットコインと形がそっくりだ!!
チューリップバブルのエピソード
そんなチューリップバブル期ならではの、珍妙で悲しいエピソードもありました。
とある船乗りが航海の到着を商人に知らせにきたところ、褒美に朝食を振舞われたそうな。
船乗りは、ふと部屋をみると「玉ねぎ」がおいてあったため、朝食の薬味だと思いそれを食べてしまったそうです。
なんと、その玉ねぎは【とてもとても】高価なチューリップの球根だったらしく、商人は怒り狂い、船乗りは窃盗罪で投獄させられたそうな。
どのくらい高値かというと、乗組員全員を 1 年間養えるほどだったそうです・・・。
超高級チューリップ
対象のチューリップは「センバー・オーグスタス」という種類で、
当時の平均年収の 24 年分相当だったという記録があるほどの超高級チューリップです。
いまの日本円に換算したら 1 億円を超える価値になりますね・・・((;゚Д゚)ガクガク
そりゃ商人も怒り狂うわけです。
気になる 1 億円のチューリップはこちらです。
出典: Wikipedia
このチューリップの高値の由来は多色の縞模様にあるそうで、実は「モザイク病」という感染症に感染したせいで発生する模様らしいです。
感染症という偶然によって発生するがゆえでの希少価値だったのでしょうか。
言わずもがな、
バブル末期には、チューリップの球根価格は急速に下落してしまい、本当の意味で玉ねぎと同価値になったそうです。