「デカフェ」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどのようなコーヒーのことか知らない、という人は実は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、デカフェコーヒーが具体的にどのようなものを指すのかをはじめ、飲むことによるメリットや、どのような人におすすめかをご紹介していきます。
上手に活用して、健康的なコーヒーライフを送りましょう。
そもそも「デカフェ」とはどういうもの?
デカフェとは、英語のDecaffeinated(デカフェネィテッド)の略で「カフェイン除去」という意味を持っています。
その意味の通り、日本ではカフェインを事前に取り除いたコーヒーを指し、カフェインレス・コーヒーと呼ばれることも多いです。
国や地域の基準により、どれだけカフェインが除去されていれば良いかは違います。
日本の場合、一般社団法人全国公正取引協議会連合会の定める『レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約』により、90%以上のカフェインが除去されていれば、デカフェ(デカフェネィテッド)コーヒー、カフェインレス・コーヒー、カフェインフリーコーヒーといった表現を、商品に使用して良いことになっています。
また、デカフェ製品が日本より浸透している欧州では、0.3%を超えてカフェインを含むもの(すなわち、99.7%以上のカフェインを除去していないもの)にはデカフェという表現は使えないことになっています。
このように、デカフェ製品の定義は明確に決まっており、カフェインの摂取を控えたい人には最適です。
次にデカフェのコーヒーの製法について見ていきましょう。よく用いられる製法には、以下の3つがあります。
(1)有機溶媒抽出(薬でカフェインを除去)
(2)水抽出(水と薬でカフェインを除去)
(3)超臨界二酸化炭素抽出(二酸化炭素でカフェインを除去)
直接豆に薬が触れる有機溶媒抽出は、不安を抱く人が多いのは事実です。
また、ややコーヒーの香りや成分を損ねてしまうというデメリットもあります。
水抽出は直接薬に触れるわけではないものの、薬に触れた水は薬を除去したうえで豆へ再度戻されるので、その点は知っておく方が選択する際に良いでしょう。
二酸化炭素でカフェインを除去する超臨界二酸化炭素抽出は、二酸化炭素の圧力と温度調整によってカフェインを除去するもので、安全面、味の面でもより安心できるものとして評価されているようです。
このように、一口にデカフェと言ってもさまざまな種類がありますので、心配な場合には確認のうえ購入するようにしましょう。
デカフェコーヒーを選ぶメリットは?
デカフェのコーヒーを選ぶことによるメリットは実は少なくありません。
具体的にどのようなメリットがあるのか、ご紹介していきます。
(1)カフェインの摂りすぎを気にせず、コーヒーを楽しむことができる
まずあげられるのが、カフェインの摂りすぎを気にせずにコーヒーを楽しめるという点です。
「コーヒーが大好きで飲み過ぎてしまう」「コーヒーは好きだがカフェインに弱い体質」といった場合には、ぜひ利用してみましょう。
カフェインの過剰摂取は、胃痛、めまい、下痢などさまざまな症状の原因となります。
通常のコーヒーの1日の摂取量の目安はマグカップ3杯程度ですが、それを超えて飲んでしまう場合はもちろん、その量に至らなくても上記のような症状が出る場合もあります。
デカフェであれば、そうした心配をせずに楽しむことができます。
(2)さまざまな健康効果はデカフェでも有り!
カフェインを除去してしまうと、健康に役立つ成分も抜けてしまうのでは?と思われがちですが、そんなことはありません。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールは、デカフェコーヒーにも含まれています。
この成分は肝臓保護、糖尿病予防などにも役立つと言われています。体内に余った糖を脂肪に変えることを抑制する作用もあるので、食後にコーヒーを飲むといった習慣が効果的です。
デカフェであれば、時間帯や体質を気にせずに飲みやすいので、活用してみると良いでしょう。
(3)就寝前も気兼ねなく飲むことができる
「コーヒーは飲みたいけど、眠れなくなってしまう」という人にもデカフェはおすすめです。
コーヒーの覚醒作用はカフェインによるもの。
先ほどご紹介したように食後に飲みたい場合や、就寝前のリラックスタイムにも、デカフェであれば安心して飲むことができます。
特にデカフェコーヒーがおすすめなのは、こんな人!
前項でもデカフェコーヒーを飲むメリットをご紹介しましたが、具体的にどのような人におすすめなのか、という点についても触れておきましょう。
(1)カフェインに弱い人
厚生労働省のカフェインの過剰摂取に関するQ&Aでは、摂取量の目安としてカナダ保健省が紹介する「健康な成人で1日400mg(コーヒーをマグカップで約3杯)」を例にあげています。
しかし、カフェインへの耐性は体質によってより過敏な人もいれば、体格が華奢なほど一般的に耐性が弱くなります。
そのため、目安の量以下しかコーヒーを飲んでいなくても、カフェインの作用による体調不良になる場合もあります。そうした場合には、デカフェコーヒーで代用するのがおすすめです。
(2)妊娠中・授乳中の人
妊娠中や授乳中の人も胎児や乳児への影響を考えて、カフェインの摂取を控えるのが一般的となっています。
日本では摂取量の基準を設けていませんが、先の例にあげたカナダ保健省の注意喚起では、妊娠中や授乳中は1日300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)程度にすることを勧めています。
実は通常のコーヒーを飲んでも、量を控えれば大丈夫ではありますが、少しでも心配を減らしたいという場合にはやはりデカフェが最適です。
デカフェであれば、飲む量を気にすることなく楽しむことができます。
今回ご紹介したように、デカフェコーヒーはメリットがたくさんあります。
カフェイン摂取量を減らしたい・控えたい人や、自分の健康などのために飲みたいという人は、ぜひ活用してみてください。